膀胱炎の症状で病院を探す時、多くの女性が「泌尿器科」という選択肢を前に、少し躊躇してしまうかもしれません。「待合室が男性ばかりだったらどうしよう」「恥ずかしい」といった心理的なハードルがあるのは、無理もないことです。しかし、膀胱や尿道、腎臓といった尿路の病気を専門的に扱う「泌尿器科」こそが、膀胱炎の診療における本来の専門家であり、女性にとっても安心して受診できる場所なのです。近年では、女性の泌尿器科受診への抵抗感を和らげるため、多くのクリニックが様々な配慮をしています。例えば、女性医師が在籍していたり、女性専用の待合スペースやトイレを設けたり、あるいは予約システムを工夫して、待合室での男女の接触を最小限に抑えたりするなどの取り組みが増えています。ホームページなどで「女性泌尿器科外来」を掲げているクリニックを探してみるのも良いでしょう。では、泌尿器科を受診するメリットは何でしょうか。最大の利点は、その専門性の高さにあります。泌尿器科医は、膀胱炎の診断・治療に関する豊富な知識と経験を持っています。尿検査の結果を詳細に分析し、原因となっている細菌の種類を推測して、最も効果的な抗菌薬を選択してくれます。また、膀胱炎と症状が似ている他の病気、例えば「過活動膀胱」や「間質性膀胱炎」といった、特殊な治療が必要な病気との鑑別診断にも長けています。特に、何度も膀胱炎を繰り返す「再発性膀胱炎」に悩んでいる方にとっては、泌尿器科が非常に頼りになる存在です。再発の原因を特定するために、排尿後の残尿量を測定する超音波検査や、尿の勢いを調べる尿流測定検査など、専門的な検査を行うことができます。そして、その結果に基づいて、再発予防のための生活指導や、必要であれば予防的な薬物療法など、一人ひとりの状況に合わせたオーダーメイドの治療計画を立ててくれるのです。膀胱炎は、女性にとって非常に身近で、かつ再発しやすい病気です。つらい症状を根本から解決し、快適な毎日を送るためにも、ぜひ勇気を出して、尿のトラブルの専門家である泌尿器科医に相談してみてください。
泌尿器科は女性も行っていい?膀胱炎診療の専門家