毎日きちんとカロリーは摂っているはずなのに、なぜか疲れやすい、風邪をひきやすい、そして、ふくらはぎがつったり、むくんだり、痛んだりする。そんな原因不明の不調に悩まされていませんか。その症状、もしかしたら現代人特有の栄養問題、「新型栄養失調」が原因かもしれません。新型栄養失調とは、食事による総摂取カロリーは足りている、あるいは過剰であるにもかかわらず、体を作る上で不可欠な特定の栄養素、特にタンパク質やビタミン、ミネラルが慢性的に不足している状態を指します。コンビニ弁当やカップラーメン、菓子パン、ファストフードといった加工食品に偏った食生活を送っていると、糖質や脂質は十分に摂取できても、これらの重要な栄養素が欠乏しがちになります。そして、この栄養のアンバランスが、体の様々な部分、特に「第二の心臓」とも呼ばれるふくらはぎに、SOSサインとして現れることがあるのです。ふくらはぎは、筋肉の塊です。その筋肉を構成している主成分は、言わずもがな「タンパク質」です。タンパク質が不足すると、体は筋肉を分解してエネルギー源として使おうとするため、筋肉量が減少し、筋力が低下します。これにより、ふくらはぎのポンプ機能が弱まり、血行不良やむくみを引き起こしやすくなります。また、筋肉の収縮や弛緩を正常にコントロールするためには、カルシウムやマグネシウム、カリウムといった「ミネラル」が不可欠です。これらのミネラルが不足すると、筋肉が異常な興奮を起こしやすくなり、夜中や運動中に突然ふくらはぎがつる、「こむら返り」の原因となります。さらに、エネルギー代謝を円滑に進めるための潤滑油の役割を果たす「ビタミンB群」が不足すれば、疲労物質が溜まりやすくなり、ふくらはぎのだるさや痛みとなって現れます。このように、ふくらはぎの不調は、単なる筋肉疲労ではなく、体全体の栄養バランスの乱れを映し出す鏡のような存在なのです。
突発性発疹の治療法とは?特効薬がない中でできること
ある日突然、赤ちゃんが39度以上の高熱を出す。他に咳や鼻水といった症状はなく、機嫌も比較的良い。そして、3〜4日続いた熱がすっと下がった途端、お腹や背中を中心に、赤いポツポツとした発疹が全身に広がる。これが、多くの赤ちゃんが初めて経験する高熱として知られる「突発性発疹」の典型的な経過です。この病気は、主にヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)、あるいは7型(HHV-7)というウイルスに感染することで起こります。初めての高熱と、その後の鮮やかな発疹に、多くの保護者の方は驚き、心配になることでしょう。そして、「何か治療法はあるの?薬で治せるの?」と考えるのは当然のことです。しかし、結論から言うと、突発性発疹の原因であるウイルスそのものを退治する「特効薬(抗ウイルス薬)」は、現在のところ存在しません。また、ウイルス感染症であるため、細菌を殺すための「抗生物質」も全く効果がありません。では、病院ではどのような対応がなされるのでしょうか。突発性発疹の治療は、現れている症状を和らげ、赤ちゃんの体の負担を軽くしてあげる「対症療法」が中心となります。これは、病気を薬で治すのではなく、赤ちゃん自身の免疫力がウイルスに打ち勝つのを、周りがサポートするという考え方です。医療機関を受診すると、まず医師は、高熱の原因が突発性発疹なのか、あるいは他の重篤な病気(髄膜炎や尿路感染症など)ではないのかを慎重に鑑別します。そして、突発性発疹と診断された場合、高熱で赤ちゃんがぐったりしている、水分が摂れない、眠れないといった状況であれば、熱を下げるための「解熱剤(アセトアミノフェンなど)」が処方されることがあります。しかし、熱があっても機嫌が良く、水分が摂れている場合は、必ずしも解熱剤を使う必要はありません。発熱は、体がウイルスと戦っている重要なサインでもあるからです。つまり、突発性発疹の治療の主役は、薬ではなく、家庭での「ホームケア」なのです。脱水を防ぐためのこまめな水分補給、体を休ませてあげるための安静、そして何より、不安な赤ちゃんに寄り添う保護者の愛情。これらが、赤ちゃんが自分の力で回復していくのを助ける、最も重要で効果的な「治療法」と言えるのです。
初めての高熱と発疹。ある新米ママの突発性発疹体験記
娘が生後8ヶ月を迎えた、ある日の午後のことでした。いつもは元気いっぱいの娘が、なんだかぐったりしていて、体を触ると明らかに熱い。体温計を脇に挟むと、表示されたのは「39.2℃」。初めて見る高い数字に、私の頭は一瞬で真っ白になりました。新米ママだった私はパニックになり、慌ててかかりつけの小児科に電話をかけ、夕方の診察を予約しました。病院へ向かう道中も、私の心臓はバクバクと鳴りっぱなし。何か大変な病気だったらどうしよう、という不安で胸が押しつぶされそうでした。診察室で、医師は娘の喉や胸の音を丁寧に診てくれましたが、「喉も赤くないし、胸の音もきれいですね。咳や鼻水もない。機嫌もそれほど悪くないですし、おそらく突発性発疹かもしれませんね」と告げました。そして、「熱が3〜4日続いて、その熱が下がった後に発疹が出てきたら、診断が確定します。それまでは水分補給をしっかりして、様子を見てあげてください」と、穏やかに説明してくれました。その日は、念のために解熱剤の坐薬を処方してもらい、帰宅しました。それから3日間、娘の高熱は続きました。熱が高い時はぐったりしていても、少し下がるとおもちゃで遊んだり、笑顔を見せたりすることもあり、医師の言葉を信じて、ひたすら母乳や麦茶をこまめに与え、体を冷やしながら看病を続けました。そして、4日目の朝。あれほど高かった熱が、嘘のようにすっと36度台に下がっていました。ホッと胸をなでおろしたのも束の間、その日の午後、おむつを替えようと服をめくった私は、再び驚くことになります。娘のお腹と背中に、細かい赤い発疹が一面に広がっていたのです。その瞬間、「これか!」と、医師の言葉がパズルのピースのようにはまりました。慌てて小児科に電話すると、看護師さんが「ああ、やっぱり突発でしたね。発疹が出たなら、もう峠は越えた証拠ですよ。お母さん、お疲れ様でした」と、温かい言葉をかけてくれました。その一言に、数日間の緊張と不安の糸が切れ、私は思わず涙ぐんでしまいました。初めての高熱は、娘にとっても、そして私にとっても、大きな試練であり、成長の証となった、忘れられない出来事です。
突発性発疹のホームケア。家庭でできる治療のポイント
突発性発疹には特効薬がないため、治療の主役は、お父さんやお母さんによる家庭でのケア、いわゆる「ホームケア」になります。赤ちゃんが自分の力でウイルスに打ち勝つのを、いかに快適に、そして安全にサポートしてあげられるかが重要です。不安になる気持ちは分かりますが、ポイントを押さえて、落ち着いて対応しましょう。まず、最も重要なのが「水分補給」です。高熱が出ると、体は汗や呼吸によって、普段以上に水分を失います。脱水症状を防ぐことが、ホームケアの最優先事項です。母乳やミルクを飲めるのであれば、欲しがるだけ与えてあげましょう。母乳やミルクには、水分だけでなく、栄養と免疫物質も含まれています。離乳食が始まっている場合は、赤ちゃん用のイオン飲料や、湯冷まし、麦茶などを、スプーンやスポイトを使って、少量ずつ、こまめに与えるのがコツです。一度にたくさん飲ませようとすると、嫌がったり、吐いてしまったりすることがあります。次に、「体温管理と服装」です。高熱で赤ちゃんが辛そうにしている場合は、体を冷やしてあげると少し楽になります。ただし、冷やしすぎは禁物です。熱が上がりきって手足も熱い時は、首の周りや脇の下、足の付け根といった、太い血管が通っている場所を、冷たい水で濡らして固く絞ったタオルなどで冷やしてあげましょう。服装は、厚着をさせず、汗を吸いやすい綿素材の肌着など、薄着を一枚で十分です。汗をかいたら、こまめに着替えさせてあげてください。逆に、熱が上がり始めで手足が冷たく、寒そうに震えている時は、体を温めてあげる必要があります。食事については、無理に食べさせる必要はありません。高熱で胃腸の働きも弱っているため、食欲がないのが普通です。水分補給さえしっかりできていれば、数日間食事を摂らなくても問題ありません。食べたがるようであれば、おかゆや野菜スープ、すりおろしたりんごなど、消化の良いものを少し与えてあげましょう。そして、何よりも大切なのが、「安静と安心」です。お家で静かに過ごし、体に負担をかけないようにしましょう。高熱で不安になっている赤ちゃんを、たくさん抱っこしてあげたり、優しく声をかけたりして、安心させてあげること。それが、赤ちゃんにとって一番の薬になるはずです。