ヘルペスと診断された時、多くの人が抱くのが「この病気は他の人にうつるのだろうか」「家族やパートナーとの生活で、何を気をつければ良いのか」という不安です。ヘルペスウイルスは、感染力が強く、正しい知識を持って対処しなければ、周囲の人に感染を広げてしまう可能性があります。そのため、医療機関を受診した際には、治療法だけでなく、日常生活での注意点についてもしっかりと医師に確認しておくことが大切です。まず、医師に確認すべき最も重要なことは、「感染経路」と「感染しやすい時期」です。口唇ヘルペスや性器ヘルペスの原因となる単純ヘルペスウイルスは、水ぶくれやただれといった病変部に大量に含まれています。そして、この病変部との直接的な接触(キスや性交渉など)や、ウイルスが付着したタオルや食器などを介した間接的な接触によって感染します。特に、症状が出ている時期は、ウイルスの排出量が最も多く、感染力が非常に高い状態です。症状が治まっても、しばらくはウイルスを排出している可能性があるため、どのくらいの期間、注意が必要なのかを確認しておきましょう。次に、具体的な「予防策」について質問しましょう。例えば、口唇ヘルペスの場合、症状が出ている間は、赤ちゃんや子供とのキスを避ける、使用したコップやタオルを家族と共用しない、といった注意が必要です。性器ヘルペスの場合は、症状が出ている間の性交渉は絶対に避けなければなりません。症状がない時でも、コンドームを使用することで、感染のリスクを大幅に減らすことができます。特に、パートナーが妊娠している場合は、新生児への感染(新生児ヘルペス)が重篤な事態を招く可能性があるため、必ずその旨を医師に伝え、指導を仰ぐ必要があります。また、「再発予防」についても重要な質問です。ヘルペスは一度感染すると、体内にウイルスが潜伏し、疲れやストレスなどを引き金に再発します。再発を繰り返す場合には、日頃からどのような生活を心がければ良いのか、あるいは再発を抑制するための治療法(再発抑制療法)があるのかどうかを相談してみましょう。病気を正しく理解し、適切な感染予防策を講じることは、自分自身だけでなく、大切な家族やパートナーを守るためにも不可欠な責任です。不安な点は遠慮せず、診察の際に全て質問するようにしましょう。
ヘルペスはうつる?受診時に聞くべきこと