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2025年7月
  • 歯科と口腔外科、顎が痛い時はどちらを選ぶべきか

    医療

    顎の痛みで医療機関を受診しようと考えた時、多くの人が「歯科」と「口腔外科」という二つの選択肢の間で迷うことでしょう。どちらも口や顎に関わる診療科ですが、その役割や専門領域には違いがあり、症状によって適切な選択は異なります。まず、「歯科(一般歯科)」は、虫歯や歯周病の治療、入れ歯の作製、歯のクリーニングなど、主に歯そのものや歯茎の健康を守ることを専門としています。顎関節症の治療を行っている歯科医院も多く、特に軽症の場合や、噛み合わせの不具合が原因と考えられる場合には、かかりつけの歯科医に相談するのが第一歩として有効です。噛み合わせの調整や、夜間の歯ぎしり・食いしばりから顎を守るためのマウスピース(ナイトガード)の作製などは、多くの一般歯科で対応可能です。一方、「口腔外科」は、その名の通り、口(口腔)、顎(顎)、顔面に生じる様々な疾患を、外科的なアプローチも含めて診断・治療する専門分野です。顎関節症はもちろんのこと、親知らずの抜歯、顎の骨折、口腔がん、顎変形症(受け口や出っ歯など)、唾石症といった、より広範で複雑な疾患を扱います。したがって、顎の痛みが非常に強い場合、口がほとんど開かない重度の開口障害がある場合、あるいは顎の脱臼や骨折が疑われるようなケースでは、最初から口腔外科を受診するのが賢明です。口腔外科では、レントゲンだけでなく、CTやMRIといった高度な画像診断装置を備えていることが多く、顎関節の内部構造や関節円板の状態を詳細に評価することができます。また、理学療法士によるリハビリテーションや、場合によっては関節内に注射をしたり、内視鏡を用いた外科手術(関節鏡視下手術)を行ったりと、より専門的で多岐にわたる治療の選択肢を持っています。結論として、まずはかかりつけの歯科医に相談し、そこで対応が難しいと判断された場合や、症状が重い場合には、口腔外科への紹介を受ける、という流れが一般的でスムーズです。どちらを選ぶべきか迷ったら、まずは電話で症状を伝え、相談してみるのも良いでしょう。

  • これは危険!救急外来へ行くべき胃痛のサイン

    医療

    ほとんどの胃痛は、緊急を要するものではありませんが、中には一刻も早く医療機関を受診しなければならない、命に関わる危険な病気のサインである場合があります。いつもの胃痛とは違う、以下のような特徴を持つ胃痛が現れた場合は、自己判断で様子を見たり、市販薬でごまかしたりせず、直ちに救急外来を受診するか、救急車を呼ぶことをためらわないでください。まず、最も注意すべきなのが「痛みの強さと性質」です。これまでに経験したことのないような、立っていられない、脂汗が出るほどの激しい腹痛が突然始まった場合は、非常に危険なサインです。特に、胃や十二指腸に穴が開いてしまう「消化管穿孔(せんこう)」の可能性があります。胃潰瘍などが進行して、胃壁に穴が開くと、胃の内容物や胃酸が腹腔内に漏れ出し、激しい腹痛と共に「腹膜炎」を引き起こします。この場合、お腹全体が板のように硬くなる(筋性防御)のが特徴で、緊急手術が必要な状態です。次に、「吐血」や「下血」を伴う場合です。コーヒーのカスのような黒っぽいものを吐いたり(吐血)、コールタールのような真っ黒でドロドロした便(タール便)が出たりした場合は、胃や十二指腸からの大量出血が疑われます。これは、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、あるいは胃がんからの出血の可能性があり、貧血が急速に進行してショック状態に陥る危険性があります。めまいや立ちくらみ、冷や汗、意識が遠のく感じなどを伴う場合は、特に緊急性が高いです。また、胃痛だけでなく、「高熱」や「激しい嘔吐」、「意識が朦朧とする」といった全身の症状を伴う場合も、重篤な状態である可能性があります。例えば、急性膵炎では、みぞおちから背中にかけての激しい痛みに加え、発熱や嘔吐が見られます。さらに、忘れてはならないのが「心筋梗塞」の可能性です。心筋梗塞の痛みは、胸の痛みとして現れることが多いですが、時にみぞおちの痛みとして感じられることがあります。胸の圧迫感や締め付けられる感じ、左肩や顎への放散痛を伴う場合は、心臓の病気も疑う必要があります。これらの危険なサインは、体が発している最大の警告です。自己判断は絶対にせず、迅速な行動をとることが、命を救うことに繋がります。

  • 特効薬はない!ヘルパンギーナの初期対処法

    知識

    大人のヘルパンギーナと診断された時、多くの人が期待するのが「これを飲めばすぐに治る」という特効薬の存在です。しかし、残念ながら、ヘルパンギーナの原因であるエンテロウイルスに直接作用する抗ウイルス薬は、現在のところ存在しません。インフルエンザのように、ウイルスの増殖を抑える薬はないのです。つまり、ヘルパンギーナの治療は、ウイルスに対する抵抗力を高め、自身の免疫力でウイルスを体から追い出すまでの間、つらい症状を和らげる「対症療法」が中心となります。この事実をまず受け入れ、初期段階でいかに苦痛をコントロールし、体力の消耗を防ぐかが、回復への鍵を握ります。まず、高熱と全身の痛みに対しては、「解熱鎮痛剤」が処方されます。アセトアミノフェンやロキソプロフェン、イブプロフェンなどが一般的で、これらを服用することで、体温を下げ、関節痛や頭痛を和らげることができます。ただし、薬の効果が切れると再び症状がぶり返すため、医師の指示に従い、適切な間隔を空けて服用することが重要です。次に、地獄のような喉の痛みに対しては、炎症を抑える「消炎鎮痛薬」や、粘膜の腫れを引かせる「トラネキサム酸」などが処方されます。また、痛みが特に強い場合には、局所麻酔成分が含まれたトローチやスプレーが処方されることもあります。これらは食事の前に使用すると、一時的に痛みが麻痺し、水分や栄養の補給がしやすくなります。そして、何よりも重要なのが「水分補給」です。強烈な咽頭痛のため、水分摂取を怠りがちですが、高熱で大量の汗をかくため、脱水症状に陥るリスクが非常に高くなります。水やお茶だけでなく、失われた電解質も補給できる経口補水液やスポーツドリンクを、少量ずつ、こまめに摂取することを強く意識してください。ストローを使うと、喉の痛む部分を避けて飲み込みやすくなる場合があります。食事は無理に摂る必要はありませんが、もし可能であれば、プリンやゼリー、アイスクリーム、冷製スープなど、喉越しが良く、栄養価のあるものを選びましょう。特効薬がないからこそ、安静、水分補給、そして対症療法という基本を徹底することが、この厳しい病気を乗り切るための唯一にして最善の道なのです。

  • 動悸がしたら何科へ?不整脈の可能性

    医療

    突然、心臓がドキドキと速く打ったり、脈が飛んだり、あるいはドクンと強く打ったりする。このような「動悸」の症状は、多くの人が一度は経験するものであり、不安な気持ちにさせられます。動悸の原因は、ストレスや緊張、カフェインの摂りすぎなど、必ずしも病気とは限らないものもありますが、その背景に「不整脈」という心臓の病気が隠れている可能性も少なくありません。不整脈とは、心臓の拍動のリズムが一定でなくなる状態の総称です。動悸の症状で病院を受診しようと考えた場合、まず相談すべき専門の診療科は「循環器内科」です。循環器内科では、動悸の診断のために、まず「心電図検査」を行います。これは、心臓が拍動する際に発生する微弱な電気信号を記録する検査で、不整脈の診断における最も基本的な検査です。しかし、動悸の症状は常に起きているわけではなく、病院で検査をする時には治まってしまっていることも多々あります。そのような場合には、「ホルター心電図検査」が行われます。これは、携帯可能な小型の心電計を24時間体に装着し、日常生活の中での心臓の電気活動を連続して記録する検査です。これにより、診察中には捉えられなかった一時的な不整脈も見つけ出すことが可能になります。不整脈には、命に別状のないものから、注意深い経過観察が必要なもの、そして脳梗塞や突然死のリスクがある危険なものまで、様々な種類があります。例えば、脈が異常に速くなる「頻脈性不整脈」の代表である「心房細動」は、心臓の中に血栓(血の塊)ができやすくなり、それが脳に飛んで「脳梗索」を引き起こす大きな原因となります。また、脈が異常に遅くなる「徐脈性不整脈」では、めまいや失神発作を起こすことがあり、ペースメーカーの植え込みが必要になる場合もあります。動悸という症状は、心臓が発している重要なサインかもしれません。特に、めまいや失神、息切れ、胸の痛みを伴う動悸は、危険な不整脈の可能性があります。自己判断で「気のせいだろう」と放置せず、一度、循環器内科で専門的な検査を受け、その正体を突き止めてもらうことが、将来の深刻な事態を防ぐために非常に大切です。

  • 熱が出ないのに咳が続く、マイコプラズマ肺炎かも

    医療

    「肺炎」と聞くと、多くの人は高熱が出て、ぐったりと寝込んでしまうような重い病気をイメージするかもしれません。しかし、肺炎の中には、高熱を伴わず、比較的元気そうに見えるにもかかわらず、咳だけがしつこく続くという、少し変わったタイプが存在します。その代表格が「マイコプラズマ肺炎」です。この病気は、「肺炎マイコプラズマ」という非常に小さな細菌の一種が、気道に感染することによって引き起こされます。一般的な肺炎球菌などによる肺炎とは異なり、マイコプラズマ肺炎は「非定型肺炎」に分類され、その症状の現れ方に特徴があります。最も顕著な特徴が、必ずしも高熱が出るとは限らないという点です。もちろん、38度以上の発熱を伴うケースも多いのですが、中には微熱がだらだらと続いたり、あるいは全く熱が出なかったりすることもあります。そのため、本人も周囲も「ただの風邪が長引いているだけ」「気管支炎だろう」と軽く考え、受診が遅れてしまうことが少なくありません。しかし、熱がないからといって、病気が軽いわけではないのです。マイコプラズマ肺炎のもう一つの大きな特徴は、しつこく続く「乾いた咳」です。最初はコンコンという乾いた咳から始まり、次第に咳の回数が増え、夜間や明け方に激しく咳き込むようになります。この咳は非常に頑固で、一度出始めると止まらなくなり、胸や喉に痛みを感じることもあります。一般的な風邪であれば、咳は1週間程度で治まることが多いですが、マイコプラズマ肺炎の場合は、2週間、3週間と、解熱した後も咳だけが長期間続くことが珍しくありません。熱が出ないために、子供は学校へ、大人は職場へと普段通りに通い続け、知らず知らずのうちに周囲に感染を広げてしまう「歩く肺炎」とも呼ばれる所以がここにあります。もし、熱はないのに、2週間以上も頑固な咳が続いている、市販の咳止めが全く効かないといった症状に心当たりがある場合は、マイコプラズマ肺炎の可能性を疑い、一度、呼吸器内科や小児科を受診することが重要です。

  • 何科を受診しても診断がつかない時は

    知識

    唇や性器、皮膚にできた水ぶくれやただれ。ヘルペスを疑って皮膚科や婦人科などを受診したにもかかわらず、「ヘルペスではないようです」「原因がはっきりしませんね」と言われ、診断がつかずに困ってしまうケースも、稀にですが存在します。典型的な症状であれば診断は比較的容易ですが、非典型的な症状を呈する場合や、他の病気との見分けがつきにくい場合があるからです。例えば、ヘルペスの初期症状は、まだ水ぶくれがはっきりと現れず、赤みや軽い腫れだけということもあります。この段階では、虫刺されや接触皮膚炎(かぶれ)などと区別が難しいことがあります。また、性器ヘルペスの場合、女性では外陰部だけでなく、膣内や子宮頸部に病変ができることもあり、視診だけでは確認が困難なケースもあります。このように、診断がはっきりしない場合、あるいは治療をしても症状が改善しない場合には、どうすれば良いのでしょうか。一つの方法として、別の専門医の意見を聞く「セカンドオピニオン」を検討することが挙げられます。特に、大学病院や地域の基幹病院など、より多くの症例を経験している専門医が集まる医療機関を受診することで、新たな視点から診断が得られる可能性があります。また、診断を確定させるための「精密検査」を依頼することも重要です。ヘルペスの確定診断には、病変部から検体を採取してウイルスそのものやウイルスの遺伝子を検出する検査(抗原検査やPCR法)や、血液検査でヘルペスウイルスに対する抗体の有無や量を調べる方法があります。もし、視診だけで診断がつかないのであれば、こうした客観的な検査を行ってもらえないか、医師に相談してみましょう。さらに、ヘルペスと症状が似ている他の病気の可能性も考える必要があります。例えば、性器のただれは、梅毒の初期症状であることもありますし、手足口病でも口の中や手足に水ぶくれができます。ベーチェット病という、免疫系の異常によって口内炎や陰部潰瘍を繰り返す病気もあります。症状が一つの科だけにとどまらない場合は、「総合診療科」のような、幅広い視点から全身を診てくれる診療科を受診するのも有効な手段です。診断がつかない不安な状態を長引かせず、納得できる答えが見つかるまで、諦めずに様々な角度からアプローチしていくことが大切です。

  • ヘルペスはうつる?受診時に聞くべきこと

    知識

    ヘルペスと診断された時、多くの人が抱くのが「この病気は他の人にうつるのだろうか」「家族やパートナーとの生活で、何を気をつければ良いのか」という不安です。ヘルペスウイルスは、感染力が強く、正しい知識を持って対処しなければ、周囲の人に感染を広げてしまう可能性があります。そのため、医療機関を受診した際には、治療法だけでなく、日常生活での注意点についてもしっかりと医師に確認しておくことが大切です。まず、医師に確認すべき最も重要なことは、「感染経路」と「感染しやすい時期」です。口唇ヘルペスや性器ヘルペスの原因となる単純ヘルペスウイルスは、水ぶくれやただれといった病変部に大量に含まれています。そして、この病変部との直接的な接触(キスや性交渉など)や、ウイルスが付着したタオルや食器などを介した間接的な接触によって感染します。特に、症状が出ている時期は、ウイルスの排出量が最も多く、感染力が非常に高い状態です。症状が治まっても、しばらくはウイルスを排出している可能性があるため、どのくらいの期間、注意が必要なのかを確認しておきましょう。次に、具体的な「予防策」について質問しましょう。例えば、口唇ヘルペスの場合、症状が出ている間は、赤ちゃんや子供とのキスを避ける、使用したコップやタオルを家族と共用しない、といった注意が必要です。性器ヘルペスの場合は、症状が出ている間の性交渉は絶対に避けなければなりません。症状がない時でも、コンドームを使用することで、感染のリスクを大幅に減らすことができます。特に、パートナーが妊娠している場合は、新生児への感染(新生児ヘルペス)が重篤な事態を招く可能性があるため、必ずその旨を医師に伝え、指導を仰ぐ必要があります。また、「再発予防」についても重要な質問です。ヘルペスは一度感染すると、体内にウイルスが潜伏し、疲れやストレスなどを引き金に再発します。再発を繰り返す場合には、日頃からどのような生活を心がければ良いのか、あるいは再発を抑制するための治療法(再発抑制療法)があるのかどうかを相談してみましょう。病気を正しく理解し、適切な感染予防策を講じることは、自分自身だけでなく、大切な家族やパートナーを守るためにも不可欠な責任です。不安な点は遠慮せず、診察の際に全て質問するようにしましょう。

  • 膀胱炎を繰り返す、再発の原因と受診のポイント

    医療

    一度治ったはずの膀胱炎が、またすぐにぶり返してしまう。年に何回も、排尿時のつらい痛みに悩まされている。このような「再発性膀胱炎」は、多くの女性にとって深刻な悩みです。なぜ、膀胱炎はこれほどまでに再発しやすいのでしょうか。その原因を知り、適切な対策をとることが、再発の負の連鎖を断ち切るための鍵となります。膀胱炎を繰り返す原因は、一つではなく、いくつかの要因が複雑に絡み合っています。まず、解剖学的な理由として、女性は男性に比べて尿道が短く、肛門と尿道口が近い位置にあるため、大腸菌などの細菌が膀胱に侵入しやすいという構造的な特徴があります。これに加えて、再発を促す生活習慣が隠れていることが少なくありません。例えば、「水分の摂取不足」は、尿の量が減り、膀胱内の細菌を洗い流す機会が失われるため、大きなリスクとなります。また、「排尿の我慢」も、膀胱内に細菌がとどまる時間を長くしてしまい、繁殖を助長します。性交渉が、細菌を尿道口から侵入させるきっかけになることも知られています。さらに、疲労やストレス、睡眠不足などで「体の抵抗力が低下」している時も、細菌に対する防御機能が弱まり、再発しやすくなります。特に、更年期以降の女性では、女性ホルモン(エストロゲン)の減少により、膣の自浄作用が低下し、膀胱の粘膜も弱くなるため、より一層、再発しやすくなります。もし、あなたが年に2回以上、あるいは半年に1回以上のペースで膀胱炎を繰り返しているのであれば、それは専門的なアプローチが必要なサインです。受診すべき診療科は、やはり「泌尿器科」が最も適しています。泌尿器科では、単にその時の炎症を抑えるだけでなく、「なぜ再発するのか」という根本的な原因を探るための診察や検査を行います。排尿後の膀胱内に尿が残っていないか(残尿測定)を調べたり、膀胱や腎臓に結石などの異常がないかをチェックしたりします。そして、その結果に基づいて、水分摂取の指導や、排尿習慣の見直し、性交渉後のケアといった、個々の生活スタイルに合わせた具体的な再発予防策を提示してくれます。場合によっては、再発を予防するために、少量の抗菌薬を長期間服用する治療法が選択されることもあります。繰り返す膀胱炎は、体質だからと諦める必要はありません。専門医と共に原因を探り、正しい知識と対策を身につけることで、つらい症状から解放される道は必ず見つかります。

  • キリキリする胃痛、何科へ行くべき?

    医療

    みぞおちのあたりがキリキリ、シクシクと痛む。急な胃痛は、多くの人が一度は経験する、非常につらい症状です。食べ過ぎや飲み過ぎ、ストレスなどが原因の一時的なものであれば、安静にしていれば治まることもありますが、痛みが続いたり、何度も繰り返したりする場合には、何らかの病気が隠れている可能性も考えられます。いざ、この胃痛を何とかしたいと病院へ行こうと思った時、まず多くの人が悩むのが「何科を受診すれば良いのか」という問題でしょう。このような胃のトラブルで、最初に相談すべき専門の診療科は、「消化器内科」あるいは「胃腸科」です。これらの科は、その名の通り、食道、胃、十二指腸、大腸といった消化管全般の病気を専門的に診断・治療するエキスパートです。消化器内科では、まず丁寧な問診を行い、いつから、どのあたりが、どのように痛むのか、食事との関連性はあるか、他にどんな症状があるかなどを詳しく聞き取ります。その上で、胃酸の分泌を抑える薬や、胃の粘膜を保護する薬などを処方し、症状の緩和を図ります。もちろん、一般的な「内科」を受診するのも、間違いではありません。特に、かかりつけの内科医がいる場合は、そこが最初の相談窓口として最も適しているでしょう。内科でも、急性胃炎などの一般的な胃痛であれば、十分な診断と治療が可能です。しかし、胃痛の原因は様々であり、中には胃潰瘍や十二指腸潰瘍、あるいは胃がんといった、より専門的な検査が必要な病気が隠れていることもあります。そのような場合に、胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)などの精密検査をスムーズに行えるのが、消化器内科や胃腸科の強みです。結論として、まずは身近な「内科」に相談し、必要に応じて専門医を紹介してもらうという流れでも良いですし、最初から胃の専門家である「消化器内科・胃腸科」を受診するのも賢明な選択です。大切なのは、痛みを我慢せず、早めに専門家の診断を仰ぐことです。

  • 顎の痛みを和らげる自分でできるマッサージとケア

    生活

    顎関節症による顎の痛みやこわばりは、日常生活に大きな支障をきたしますが、専門的な治療と並行して、自宅でできるセルフケアを取り入れることで、症状を大きく和らげ、回復を早めることができます。特に、緊張して硬くなった顎周りの筋肉(咀嚼筋)を優しくほぐすマッサージは、誰でも手軽に始められる効果的な方法です。ここでは、安全で効果的なマッサージとセルフケアのポイントをご紹介します。まず、ターゲットとなる主な筋肉は、頬骨の下あたりにある「咬筋(こうきん)」と、こめかみの部分にある「側頭筋(そくとうきん)」です。これらは、歯を食いしばる時に最も強く働く筋肉で、顎関節症の人の多くは、この二つの筋肉がガチガチに凝り固まっています。マッサージを行う際は、指の腹を使い、決して強く押しすぎず、「痛気持ちいい」と感じる程度の優しい圧で行うことが重要です。まず、「咬筋マッサージ」です。口を軽く開けた状態で、人差し指、中指、薬指の3本の腹を、頬骨の下の、歯を食いしばると硬くなる部分に当てます。そして、円を描くようにゆっくりと、10回ほど優しくほぐします。これを数セット繰り返します。次に、「側頭筋マッサージ」です。こめかみの、これも歯を食いしばると少し盛り上がる部分に指の腹を当て、同様に円を描くように優しくマッサージします。側頭筋は頭痛の原因にもなるため、ここをほぐすことで頭もスッキリする効果が期待できます。マッサージは、お風呂上がりなど、血行が良くなっている時に行うとより効果的です。また、蒸しタオルなどで顎周りを温める「温罨法(おんあんぽう)」も、筋肉の緊張を和らげ、血流を改善するのに役立ちます。逆に、急性の強い痛みや腫れがある場合は、温めると炎症が悪化することがあるため、冷たいタオルなどで軽く冷やす「冷罨法(れいあんぽう)」の方が適している場合があります。どちらが良いか迷う場合は、医師に相談しましょう。これらのセルフケアに加え、前述したような悪癖(TCH、頬杖など)を意識的にやめること、そしてストレスを溜めないようにリラックスする時間を作ることも、顎の痛みを根本から改善するためには不可欠な要素です。