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2025年8月
  • 初期症状で扁桃炎やコロナと見分けるポイント

    知識

    突然の高熱と激しい喉の痛み。大人のヘルパンギーナの初期症状は、急性扁桃炎やインフルエンザ、そして新型コロナウイルス感染症といった他の疾患と非常によく似ており、初期段階での自己判断は極めて困難です。しかし、注意深く症状を観察することで、ある程度鑑別するためのポイントが見えてきます。まず、最も重要な違いが現れるのが「喉の所見」です。急性扁桃炎の場合、痛みは主に喉の両側にある口蓋扁桃(いわゆる扁桃腺)に集中し、扁桃腺が赤く腫れ上がり、白い膿(膿栓)が付着するのが特徴です。一方、ヘルパンギーナの痛みと発疹は、喉のさらに奥、軟口蓋や口蓋垂といった、上顎の奥の柔らかい部分に現れます。直径1~2ミリ程度の小さな水疱(小水疱)や、それが破れた後の浅い潰瘍(アフタ)が、複数個、散らばるように存在するのが典型的な所見です。鏡で口の奥をライトで照らしてみて、扁桃腺そのものよりも、のどちんこの周辺に赤いプツプツがあれば、ヘルパンギーナの可能性が高まります。次に、他の「随伴症状」の違いです。新型コロナウイルス感染症やインフルエンuenzaでは、咳や鼻水、鼻づまりといった呼吸器症状を伴うことが比較的多いのに対し、典型的なヘルパンギーナでは、これらの症状は軽微か、あるいは全く見られないことがほとんどです。全身の倦怠感や筋肉痛は共通してみられますが、ヘルパンギーナはとにかく「喉の痛み」が他の症状を圧倒するほど突出して強い、という点が特徴的と言えます。また、周囲の流行状況も重要な手がかりとなります。夏場に、子どもの間でヘルパンギーナが流行しているという情報があれば、自身の症状もそれに関連している可能性を考えるべきです。もちろん、これらはあくまで一般的な傾向であり、最終的な診断は医師による診察と、場合によっては迅速抗原検査などによって下されます。症状が似ているからこそ、自己判断で市販の風邪薬を飲み続けるといった対応は避け、異常を感じたら速やかに医療機関を受診し、適切な診断を受けることが何よりも重要です。

  • 子供の熱なしマイコプラズマ肺炎、親の注意点

    知識

    子供が熱もなく元気そうにしていると、多少咳をしていても「大丈夫だろう」と見過ごしてしまいがちです。しかし、その咳がマイコプラズマ肺炎によるものだった場合、親が気づかずにいると、症状を長引かせたり、集団生活の中で感染を広げてしまったりする可能性があります。子供の熱なしマイコプラズマ肺炎において、保護者が知っておくべき注意点はいくつかあります。まず、最も大切なのは「咳の観察」です。いつもの風邪の咳とは違う、しつこい咳が2週間以上続いていないでしょうか。特に、夜間や早朝に、顔を真っ赤にして激しく咳き込む、一度咳が出始めると止まらない、といった特徴が見られたら要注意です。また、熱がなくても、なんとなく元気がない、食欲が落ちている、機嫌が悪いといった、普段との様子の違いにも気を配りましょう。これらのサインに気づいたら、早めに小児科を受診することが重要です。次に、診断後の「家庭でのケア」です。医師から処方された抗菌薬は、必ず指示された日数通りに最後まで飲ませてください。症状が少し良くなったからといって自己判断で中断してしまうと、菌が完全に死滅せずに再発したり、耐性菌を生み出す原因になったりします。咳がひどい時は、水分をこまめに与え、喉の乾燥を防いであげましょう。部屋の湿度を適切に保つことも効果的です。また、体力を消耗させるような激しい運動は避け、ゆっくりと休ませてあげてください。そして、忘れてはならないのが「感染対策」です。マイコプラズマ肺炎は、主に咳やくしゃみの飛沫によって感染します。登園・登校については、医師の指示に従う必要があります。一般的には、激しい咳が治まり、全身状態が良くなるまでは、お休みするのが望ましいとされています。家庭内でも、兄弟や他の家族にうつさないよう、咳エチケット(マスクの着用)を徹底したり、タオルや食器の共用を避けたりといった配慮が必要です。子供は自分の症状をうまく言葉で表現できません。日頃からお子様の様子を注意深く見守り、小さな変化を見逃さないことが、病気の早期発見と適切なケアに繋がるのです。

  • 内科と婦人科、膀胱炎で受診する際のポイント

    医療

    膀胱炎の症状が出たけれど、泌尿器科には少し抵抗がある。そんな時、多くの女性が選択肢として考えるのが、「内科」と「婦人科」でしょう。どちらの科でも、一般的な急性膀胱炎であれば、基本的な診療を受けることが可能です。それぞれの科の特徴と、受診する際のポイントを理解しておきましょう。まず、「内科」は、体の不調に関する最初の相談窓口として、非常に頼りになる存在です。特に、かかりつけの内科医がいる場合、普段の健康状態や既往歴を把握してくれているため、安心して相談できます。内科では、問診と尿検査を行い、膀胱炎と診断されれば、適切な抗菌薬を処方してくれます。風邪などの他の病気でかかったついでに、膀胱炎の相談もできるという手軽さもメリットの一つです。ただし、内科はあくまで全身を幅広く診る科であるため、再発を繰り返すような難治性の膀胱炎や、特殊なタイプの膀胱炎の診断・治療は専門外となる場合があります。その際は、泌尿器科などの専門医へ紹介してくれるでしょう。次に、「婦人科」です。女性の体は、泌尿器と生殖器が非常に近い位置にあるため、両者のトラブルは密接に関連していることが少なくありません。婦人科を受診するのが特に適しているのは、膀胱炎の症状に加えて、おりものの異常(量、色、匂いなど)やかゆみ、不正出血といった、明らかに婦人科系の症状を伴う場合です。これらの症状は、クラミジアや淋菌といった性感染症や、カンジダ膣炎などが原因である可能性があり、膀胱炎と似た排尿時痛を引き起こすことがあります。婦人科では、これらの感染症の検査と治療を、膀胱炎の診療と同時に行うことができます。また、妊娠中の膀胱炎は、早産のリスクを高めることがあるため、必ずかかりつけの産婦人科で相談する必要があります。さらに、更年期以降の女性では、女性ホルモンの減少によって膣の自浄作用が弱まり、膀胱炎を繰り返しやすくなります。このような場合も、ホルモン補充療法などの選択肢も含めて相談できる婦人科が適しています。自分の症状をよく観察し、膀胱炎単独の症状であれば内科、他の婦人科系の症状も気になる場合は婦人科、と使い分けるのが賢明な判断と言えるでしょう。

  • 息切れやむくみは心不全のサインかも

    医療

    以前は何でもなかった坂道や階段を上るだけで、息が切れて苦しくなる。夕方になると足がパンパンにむくんで、靴下の跡がくっきりと残る。このような症状は、単なる年齢のせいや運動不足と片付けてしまいがちですが、実は心臓の機能が低下している「心不全」の初期症状である可能性があります。心不全とは、特定の病名ではなく、心臓のポンプ機能が低下し、全身に十分な血液を送り出せなくなった結果、様々な症状が現れる状態の総称です。この心不全のサインに気づいた時に相談すべき診療科は、「循環器内科」です。では、なぜ心不全になると、息切れやむくみが起こるのでしょうか。心臓のポンプ機能が低下すると、全身に送り出す血液の量が減る一方で、心臓に戻ってくる血液がスムーズに処理できなくなり、血液の渋滞(うっ血)が起こります。このうっ血が肺で起こると、肺に水が溜まり、ガス交換がうまくできなくなって、息切れや呼吸困難が生じます。特に、横になると息苦しさが増し、体を起こすと少し楽になる(起座呼吸)のは、心不全に特徴的な症状です。一方、うっ血が全身の血管で起こると、血管から水分が漏れ出し、体の低い部分、特に足のすねや甲に溜まって「むくみ(浮腫)」となります。指でむくんだ部分を押すと、跡がしばらく残るのが特徴です。また、食欲不振や、急激な体重増加(体に水分が溜まるため)も、心不全のサインとして現れることがあります。心不全の原因は様々で、心筋梗塞や心臓弁膜症、高血圧、不整脈など、あらゆる心臓病が最終的に心不全へと至る可能性があります。循環器内科では、心エコー検査などで心臓のポンプ機能を評価し、心不全の原因となっている病気を特定します。そして、利尿薬で体に溜まった余分な水分を排泄させたり、心臓の負担を軽くする薬を使ったりしながら、症状をコントロールし、病気の進行を抑える治療を行います。息切れやむくみは、心臓が発しているSOSサインです。「年のせい」と自己判断せず、一度、循環器内科で心臓の状態をチェックしてもらうことが、早期発見・早期治療に繋がり、健やかな生活を長く続けるための鍵となります。

  • マイコプラズマ肺炎の診断、どんな検査をする?

    医療

    「もしかして、この長引く咳はマイコプラズマ肺炎かもしれない」そう思った時、医療機関ではどのような検査が行われ、診断が下されるのでしょうか。マイコプラズマ肺炎の診断は、症状の問診や診察所見に加えて、いくつかの検査結果を総合的に判断して行われます。まず、どの呼吸器疾患でも基本となるのが「胸部X線(レントゲン)検査」です。マイコプラズマ肺炎では、肺に淡い影(浸潤影)が見られることが多く、これが診断の重要な手がかりとなります。ただし、初期には異常が見られなかったり、影が非常に薄かったりすることもあり、レントゲンだけで確定診断するのは難しい場合があります。次に、診断の補助として行われるのが「血液検査」です。一般的な血液検査では、白血球の数やCRP(炎症反応の強さを示す数値)を調べます。細菌性肺炎ではこれらの数値が著しく上昇することが多いのに対し、マイコプラズマ肺炎では、軽度の上昇にとどまるか、正常範囲内であることも珍しくなく、これが他の肺炎との鑑別に役立ちます。さらに、マイコプラズマに感染しているかを直接的に調べるための検査があります。現在、迅速診断として広く行われているのが「抗原検査」です。これは、喉の奥を綿棒でこすって検体を採取し、マイコプラズマの成分(抗原)が含まれているかを調べる検査で、15分程度で結果が分かります。手軽で迅速な反面、感度がそれほど高くないという欠点もあります。より確実な診断法として、「抗体検査」があります。これは、血液を採取し、体内でマイコプラズマに対する抗体が作られているかを調べる検査です。感染初期と、2〜4週間後の回復期の2回採血を行い、抗体価が著しく上昇していることを確認する「ペア血清」という方法が最も確実ですが、結果が出るまでに時間がかかるため、主に確定診断や疫学調査に用いられます。また、最近では、喉のぬぐい液などからマイコプラズマの遺伝子(DNA)を検出する「LAMP法」や「PCR法」といった、より感度の高い検査も行われるようになってきました。これらの検査結果と、熱の有無、咳の期間といった臨床症状を総合的に考慮して、医師はマイコプラズマ肺炎の診断を下すのです。

  • 私が血便で肛門科の受診を決意した日

    生活

    30代半ばの私は、デスクワーク中心の生活と長年の便秘に悩まされていました。排便時に強くいきむことは日常茶飯事で、時々トイレットペーパーに鮮血が付着することもありましたが、「きっと切れ痔だろう」と軽く考え、市販の軟膏でごまかす日々を送っていました。女性であるという羞恥心も手伝って、専門の病院に行くという選択肢は、私の頭の中には全くありませんでした。しかし、その日は違いました。いつもより多めに便器の中に血が広がり、まるで生理が始まったかのような鮮やかな赤色が、私の心に警鐘を鳴らしたのです。血の量もさることながら、排便後も続く鈍い肛門の痛みと、何か異物が挟まっているかのような残便感が、これまでの「ただの切れ痔」とは明らかに違うと感じさせました。インターネットで「血便、女性、何科」と震える手で検索すると、消化器内科や肛門科という言葉と共に、大腸がんという最悪のシナリオが目に飛び込んできました。私の不安は一気に頂点に達しました。このまま放置して、もし手遅れになったらどうしよう。家族の顔が次々と浮かび、私はようやく重い腰を上げる決意を固めました。問題は、どの病院へ行くかです。消化器内科でいきなり大腸カメラを受ける勇気はなく、まずは出血源として最も可能性の高い肛門の専門家に診てもらおうと、女性医師が在籍する肛門科クリニックを探し当てました。予約の電話をする手は震え、声も上ずっていたと思います。診察当日、待合室では心臓が口から飛び出しそうなくらい緊張していました。しかし、診察室に入ると、女性の医師は私の話を優しく、そして丁寧に聞いてくれました。診察は、横向きに寝て膝を抱える体勢で行われ、羞恥心に配慮してタオルをかけてくれるなど、細やかな気配りが感じられました。診断の結果は、やはり痔。ただし、切れ痔(裂肛)だけでなく、内側に大きないぼ痔(内痔核)もできており、そこから出血しているとのことでした。幸い、がんを疑う所見はなく、まずは軟膏と内服薬で治療を始めることになりました。あの時、勇気を出して一歩を踏み出した自分を、今では心から褒めてあげたいと思います。羞恥心よりも、自分の体を大切にする気持ちが、私を救ってくれたのです。

  • 血便が出た時に女性が受診すべき診療科とは

    医療

    ある日突然、トイレットペーパーに付着した鮮やかな血や、便器の中が赤く染まる光景を目の当たりにしたら、誰もが強い不安と恐怖に襲われることでしょう。特に女性の場合、月経や痔など、出血の原因が複数考えられるため、パニックに陥りやすいかもしれません。しかし、血便は体からの重要な警告サインであり、自己判断で放置することは非常に危険です。では、血便が出た時、女性はまずどの診療科を受診すればよいのでしょうか。結論から言えば、まず訪れるべきは「消化器内科」または「肛門科(肛門外科)」です。消化器内科は、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸といった消化管全体の病気を専門とする診療科です。血便の原因を特定するために、内視鏡検査(胃カメラや大腸カメラ)を行う中心的な役割を担います。大腸がんやポリープ、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病)、感染性腸炎など、重大な病気を見つけ出すためには、消化器内科での精密検査が不可欠です。一方、肛門科は、その名の通り、肛門とその周辺の病気を専門とします。血便の原因として最も頻度が高いのは、痔(いぼ痔や切れ痔)による出血です。特に、排便時に鮮やかな赤い血が紙に付着したり、ポタポタと垂れたりする場合は、痔の可能性が高いと考えられます。肛門科では、視診や指診、肛門鏡といった診察で、痔の状態を正確に診断し、適切な治療(薬物療法や日帰り手術など)を行ってくれます。では、どちらを先に選ぶべきか。一つの目安として、出血の色が参考になります。鮮やかな赤色(鮮血便)であれば、出血源は肛MONに近い直腸やS状結腸、あるいは肛MONそのものである可能性が高いため、肛門科が適しています。逆に、便に混じった暗い赤色や、黒っぽいタール状の便(黒色便)の場合は、胃や十二指腸など、肛MONから遠い上部消化管からの出血が疑われるため、消化器内科を受診するのが適切です。しかし、この判断は必ずしも容易ではありません。もし迷った場合は、まずは消化器内科を受診し、そこで大腸カメラなどの検査を受けて、大腸に異常がないことを確認した上で、必要であれば肛門科を紹介してもらう、という流れが最も確実で安心できる選択と言えるでしょう。

  • マウスピース治療とは?顎関節症への効果と注意点

    知識

    顎関節症の治療において、最も一般的で、かつ効果的な保存療法の一つに「マウスピース(スプリント)療法」があります。これは、患者さん一人ひとりの歯型に合わせて作製した、プラスチック製の装置を、主に就寝中に装着することで、顎関節や咀嚼筋にかかる負担を軽減し、症状の改善を図る治療法です。では、このマウスピースは具体的にどのようなメカニズムで効果を発揮するのでしょうか。その役割は多岐にわたります。最大の目的は、「歯ぎしりや食いしばりによる過剰な力からの保護」です。多くの顎関節症は、無意識に行われるこれらの悪癖によって、咀嚼筋が異常に緊張し、顎関節に過大な負荷がかかることが原因となっています。マウスピースを装着することで、上下の歯が直接強く接触するのを防ぎ、クッションのように力を分散・吸収して、筋肉と関節を休ませることができるのです。次に、「顎関節の位置を安定させる」効果も期待できます。マウスピースによって適正な厚みを持たせることで、噛み合わせの高さが少し上がり、顎関節がリラックスした、本来あるべき位置に誘導されやすくなります。これにより、関節円板のずれが改善されたり、関節内部の圧力が軽減されたりします。さらに、マウスピースという「異物」が口の中にあることで、脳にその存在がフィードバックされ、無意識の歯ぎしりや食いしばりの癖そのものを抑制する効果(バイオフィードバック効果)もあると考えられています。マウスピースの作製は、歯科や口腔外科で行われます。まず歯型を採り、それをもとに歯科技工士が作製します。完成したマウスピースは、実際に装着して噛み合わせの微調整が行われます。保険適用で作製できますが、いくつかの注意点もあります。装着し始めは、違和感や締め付け感があるかもしれません。また、マウスピースは消耗品であり、歯ぎしりが強い人ではすり減ったり、破損したりすることもあるため、定期的な歯科でのチェックと調整が不可欠です。そして何より、マウスピースはあくまで症状を緩和するための対症療法の一つであり、これを装着するだけで全ての顎関節症が治るわけではありません。悪癖の自覚やストレス管理、セルフマッサージといった他の治療法と組み合わせることで、初めてその効果を最大限に発揮することができるのです。

  • 私が膀胱炎で婦人科を選んだ理由

    知識

    あれは、仕事の繁忙期で、連日疲れが溜まっていた時のことでした。ある朝、トイレに行くと、排尿の終わりにツーンとした、何とも言えない痛みを感じました。その時は「疲れているせいかな」と軽く考えていましたが、日中もトイレに行くたびに同じ痛みが走り、次第に残尿感も出てきました。「これは、もしかして膀胱炎かもしれない」。そう思い至りましたが、同時に、おりものが少し黄色っぽく、量も増えていることに気づきました。普段とは違う、デリケートゾーンの不快感。膀胱炎の症状だけでなく、婦人科系のトラブルも一緒に起きているような気がして、私は泌尿器科ではなく、「婦人科」を受診することに決めました。かかりつけの婦人科クリニックで、排尿時の痛みとおりものの異常について話すと、医師はまず尿検査と、おりものを採取して調べる検査の両方を行ってくれました。診察の結果、やはり膀胱炎を起こしていることが分かりましたが、同時に、おりものの検査からは、細菌性膣症という、膣内の善玉菌が減って悪玉菌が増えてしまう状態になっていることも判明しました。医師の説明によると、疲れやストレスで体の抵抗力が落ちると、膣内の常在菌のバランスが崩れ、それが尿道から膀胱へと侵入して膀胱炎を引き起こすことは、女性には非常によくあるケースなのだそうです。もし私が泌尿器科だけを受診していたら、膀胱炎の治療はできても、膣内の環境の乱れは見過ごされていたかもしれません。婦人科を選んだおかげで、膀胱炎に対する抗菌薬と、膣内の環境を整えるための膣錠の両方を処方してもらうことができ、二つのトラブルを同時に、そして根本的に治療することができました。また、診察の際に、生理周期の乱れなど、他の女性特有の悩みについても気軽に相談できたことも、婦人科を選んで良かったと感じた点です。この経験を通じて、女性の体は、様々な器官が密接に関わり合っていることを改めて実感しました。特に、泌尿器と生殖器のトラブルは、切り離して考えずに、トータルで診てもらう視点が大切だと学んだ出来事でした。