トイレが近い、排尿時にツーンとした痛みがある、残尿感があってスッキリしない。これらの症状は、女性が経験する最も一般的な泌尿器系のトラブル、「膀胱炎」の典型的なサインです。多くの女性が一度は経験すると言われるほど身近な病気ですが、いざ症状が出た時、「どこの病院へ行けば良いのだろう」と迷ってしまう方は少なくありません。特に女性の場合、婦人科系の病気との関連も気になるため、診療科選びは悩ましい問題です。結論から言うと、女性の膀胱炎を診療する主な診療科は、「泌尿器科」と「内科」、そして「婦人科」の三つが挙げられます。この中で、膀胱や尿道といった尿路の専門家は、まぎれもなく「泌尿器科」です。泌尿器科では、尿検査によって迅速に膀胱炎の診断を下し、原因菌に合わせた適切な抗菌薬(抗生物質)を処方してくれます。再発を繰り返す場合や、症状が長引く場合には、超音波検査などで他の病気が隠れていないかを調べることもでき、最も専門的な治療が期待できます。しかし、「泌尿器科は男性が行くところ」というイメージが根強く、受診に抵抗を感じる女性も多いのが実情です。そのような場合は、まず「内科」を受診するのも良い選択です。ほとんどの内科クリニックでは、一般的な急性膀胱炎の診断と治療が可能であり、かかりつけの内科医であれば、安心して相談できるでしょう。また、「婦人科」も、女性の膀胱炎診療において重要な役割を担っています。特に、おりものの異常や性器のかゆみなど、他の婦人科系の症状を伴う場合や、妊娠中の膀胱炎、あるいは更年期以降に再発を繰り返す場合には、婦人科で相談するのが適切です。どの科を受診するにせよ、最も大切なのは、症状を我慢せずに早期に医療機関を受診することです。膀胱炎は、早期に治療すれば数日で改善することがほとんどです。一人で悩まず、まずは通いやすい科の扉を叩いてみましょう。