ドラッグストアやホームセンターに行けば、多種多様なハチ用殺虫剤が並んでいます。しかし、相手が最も危険なスズメ-バチである場合、どの製品を選ぶかによって、駆除の成功率と安全性は大きく変わってきます。ここでは、害虫駆除のプロがスズメバチ用殺虫剤を選ぶ際に注目する、3つの重要なポイントをご紹介します。まず第一のポイントは、「最大噴射距離」です。これは、安全確保の観点から最も重要視すべき性能と言えます。スズメバチの巣に近づく行為は、それ自体が非常に危険です。製品のパッケージには「最大12m」などと記載されていますが、これは無風状態での最大値であり、実際にはもう少し短い距離で考えるべきです。それでも、最低でも5メートル以上、できれば10メートル前後の噴射能力を持つ製品を選ぶことで、スズメバチに存在を気付かれる前に、安全な距離から先制攻撃を仕掛けることが可能になります。第二のポイントは、「有効成分と効果」です。スズメバチ駆除には、一瞬の躊躇も許されません。そのため、蜂を素早く麻痺させる「速効性(ノックダウン効果)」が極めて重要になります。多くの製品で採用されている「ピレスロイド系」の殺虫成分は、この速効性に優れています。成分表示を確認し、即効性の高い成分が含まれているか、また製品によっては蜂の動きを止める「行動停止成分」などが加えられているものもありますので、そうした付加機能にも注目しましょう。第三のポイントは、「内容量」です。駆除の途中で薬剤が切れてしまうことは、最も避けなければならない最悪のシナリオの一つです。スズメバチの巣を駆除する際は、巣全体に薬剤が十分に行き渡るよう、最低でも30秒以上は連続で噴射し続ける必要があります。そのため、内容量が450ml以上の、できるだけ容量の大きい製品を選んでおくと安心です。これらの3つのポイント、「噴射距離」「有効成分」「内容量」を基準に製品を選べば、より安全で効果的なスズメバチ駆除の準備が整うと言えるでしょう。